こてゆび雑記文庫

こてゆびってオタクの雑記が溜まっていくだけです

西武の駅放送集めるのしんどい

おはようこんにちはこんばんはこてゆびです。

題字の通りです。きつい。しんどい。

まあ正直他社大手に比べたら余程マシなパーツ量なんでしょうけど、それでも厳しい。

何度取材に行ってもいまだに集めきれない。

まあ、存在するパーツすべて回収なんて、不可能でしょうけど…

 

今回は西武の駅放送について

  • 知ってる範囲の解説
  • 回収がしんどい理由
  • 私の収録状況の進捗
  • 収録がつらい駅やパーツ
  • 定期外列車には手を出すな!

について書いていこうと思います。どうかお付き合いください。

 

そもそも駅放送とは?

電車に興味のない人にも分かるように説明すると、駅放送とは文字通り駅で流れる放送のことです。

駅で電車を待っていると「まもなく1番線に、東京行きが…」みたいなアナウンスが聞こえるかと思います。アレのことです。

アレをいっぱい録音している人を「音鉄」とか「放送鉄」と呼ぶのですが、私はその類の人間なわけです。

これから書かれる内容は、「1番線に、東京行きが…」以外にも「2番線」「3番線」とか「新宿行きが」「池袋行きが」のように、色んな種類のアナウンスを録音したい!という話です。

 

西武の駅放送概説

こっからは鉄分過多です。鉄オタじゃない人はなに言ってるか分からないと思います。

 

ここから先の「カギ括弧入り太字」はシステムや社内で用いられている通称ではなく、私が収録や素材整理の際に用いている独自の呼称です。この記事以外でこの用語を使っても通用しません。

 

西武の駅放送は主に、「本線」「秩父エリア」「多摩川線」の三種類に大別されます。(俺が勝手にしてます。)

高麗以西は秩父エリア」多摩川線は文字通り多摩川線」、それ以外は「本線」と分けています。実際はもうちょい放送が異なる駅があるのですがここでは割愛します。

 

ここからは主に本線について書いていきます。

 

放送の種類

本線の放送は「女声」「男声」の二種類があります。

基本的に女声は上り、男声は下りで流れます。

例外もいくつかありますので紹介します。

・終着駅

 主な駅:池袋、国分寺など

 すべてのホームで女声放送が流れます。

・ホームが一つしかない駅

 主な駅:東飯能、青梅街道など

 列車の上下関係なく女声放送が流れます。

西所沢駅

 狭山線ホームは列車の上下関係なく男声放送が流れます。

下山口駅

 ホームは上下一線ずつですが、なぜか上下線とも女声放送が流れます。

 

主な放送内容

基本的に西武線の駅放送は「接近放送」しかありません。電車の到着時や発車前に自動放送はありません。これが最初に「他社大手に比べたら余程マシなパーツ量」と述べた理由です。

主な放送の文面は以下の通りです。

 

  • 電車が到着するとき

まもなく、n番ホームに、(種別)(行先)行きが、x両編成でまいります。黄色い線の内側でお待ちください。

(上記繰り返し)

(ある場合はこれに加えて「付帯放送」が流れる。)

 

  • 回送や臨時電車が到着するとき

まもなく、n番ホームに、電車がまいります。黄色い線の内側までお下がりください。この電車には、お乗りになれません。

(上記繰り返し)

※一般客が乗車可能な臨時電車でも「お乗りになれません」と流れます。

 

  • 電車が通過するとき

n番ホーム、ご注意ください。電車が通過します。黄色い線の内側までお下がりください。

(上記繰り返し)

 

  • 当駅止まりのとき

まもなく、n番ホームに、この駅止まりの電車がまいります。黄色い線の内側までお下がりください。

(上記繰り返し)

 

基本的にはこの三種類です。回送や通過は基本的にワンパターンなので、一回録ってしまえば十分です。接近放送は列車次第で種別や行先、そして「付帯放送」が変化します。

 

付帯放送って?

ここでいう「付帯放送」は、到着する列車に関するより詳細な情報を流します。

先着する?途中で待避がある?接続列車は?直通先の種別は?次の停車駅は?このような情報を流してくれます。

主な放送パターンは以下の通りです。

 

  • 直通先の種別

この電車は(有楽町線/副都心線)内では、(直通先種別)になります。

地下鉄へ直通する電車で流れます。直通先と種別が同じ場合*1は流れません。

 

  • 接続列車があるとき

この電車は(途中/終点)、(接続駅)で、(種別)(行先)行きに、お乗り継ぎができます。

途中駅で優等列車に乗り換えができる場合や、その電車の行先より先へ行く電車に乗れるときに流れます。

 

  • 終点まで先着するとき

(終着駅)へお急ぎの方は、この電車をご利用ください。

各駅停車の接近で流れることが専らです。ただし地下鉄へ直通する電車(上り電車のみ)では流れません。*2

 

  • 途中で待避があるとき

(駅名)へお急ぎの方は、次にn番ホームから発車する、(種別)をご利用ください。

主に優等停車駅で、到着電車が後発電車に追い越される場合に流れます。追い越される駅ではなく、その先の駅を案内するのが特徴。

 

  • 次の停車駅

この駅を出ますと、次は(駅名)にとまります。

優等電車で流れます。ただし次の停車駅が隣駅の場合は流れません。

 

このほかにも、終電車用の付帯放送やら何やらあるのですが、とりあえず主な付帯はこんな感じです。

この付帯放送を回収するのが大変なのです。待避駅などによって放送内容が変わるので…。詳しくは後述。

 

放送のパーツ数

先述したように、私は「池袋行きが」とか「新宿行きが」のような様々な種類の「パーツ」を集めたいのです。ではその数はどれくらいになるのでしょうかという話です。

まずは基本の電車の接近放送を例に見ましょう。

まもなく、n番ホームに(種別)(行先)行きがx両編成でまいります。黄色い線の内側でお待ちください。

このとき、「n番ホームに」「(種別)」「(行先)行きが」「x両編成で」の四種類にパーツを大別できます。一つずつ何があるか見ていきましょう。

 

n番ホームに

電車の来る番線です。西武線には1番ホームから7番ホームまで存在するので単純計算で7種類あります。

実際は、女声のみ7番まであり、男声担当ホームは5番までしかないので、収録できるのは7+5=12種類となります。

 

(種別)

現行の種別は全路線合わせて「各駅停車」「準急」「通勤準急」「快速」「通勤急行」「急行」「快速急行」「Fライナー快速急行」「S-TRAIN」「拝島ライナー」「特急」の11種類があります。これらは、全て男女とも存在しますが、男声通勤準急のみ現在はダイヤ上流れないため、現行で流れるのは合計21種類となります。

かつて存在した拝島快速を合わせると二種類増えますが、流石に現状で収録不可能なのでノーカウントで…。

 

(行先)行きが

ここはやっぱり多いです。行先の数だけパーツがあるので。

池袋線だけでも「池袋」「石神井公園」「保谷」「所沢」etc… 

新宿線も入れると「西武新宿」「本川越」「拝島」「田無」etc...

これは本数が多ければいくらでも録れますが、一日の本数が少ない行先*3だと難易度が上がります。これを男女で集めるとそれだけで結構な量になります。

 

x両編成で

ここは乱獲してれば制覇できると思います。西武線にはいま「10両」「8両」「7両」「6両」「4両」しか走ってないので、多少路線を巡って接近放送狙えば割とすぐ集まるかと。

 

これが接近放送における大まかなパーツ数です。

これが回送や通過電車の場合はまた番線のパーツが異なる*4ため、別で集める必要があります。

 

パーツ回収がしんどい理由

正直ここまでだけなら接近放送でも「ちちぶ9号」のような列車名や番号やもないし、レア行先もそんなに多くないので、制覇するのは大手私鉄の中なら容易でしょう。

西武線の放送パーツの真骨頂は「付帯放送」にあります。

付帯放送を集めるのが大変な理由は大きく分けて3つあります。

  1. 先発列車でしか流れない付帯が多い
  2. 付帯の種類が多い
  3. 放送が最後まで流れ切らないことがある

これも一つずつ見ていこうと思います

 

1.先発列車でしか流れない付帯が多い

西武の付帯放送は基本的に先発列車でしか流れません。

つまり、待ち合わせをする列車や、早めに入線する始発列車では付帯放送が流れません。これによって希少となるパーツもあります。

 

2.付帯の種類が多い

先ほど述べた付帯放送はほんの一部で、実際にはこれ以外にも様々な放送があります。

 

  • 小平で拝島行きに接続する放送

この電車は、小平で、各駅停車 拝島行きに接続します。

「○○行きにお乗り継ぎができます。」とは異なる「接続します」という放送があります。

「お乗り継ぎができます」という放送は先発列車でしか流れませんが、「接続します」という放送は次発列車以降でも流れます。

使い分けは私自身把握してません。誰か教えて…

 

  • 接続列車が途中駅で追い越される場合

○○へ、お急ぎの方は、△△で、(種別)(行先)行きに、お乗り換えください。

主に椎名町~桜台や東飯能で流れます。接続駅(△△駅)で乗り継げる電車が、途中駅でさらに別の優等列車*5に追い越される場合にこの放送が流れます。

 

  • 二層建て列車

この電車は、前のx両が○○行き、後ろのy両が△△行きです。

西武の多層建て列車で現存するものは「三峰口・長瀞」行きだけです。

飯能と東飯能で流れる女声の「前の4両が三峰口行き、後ろの4両が長瀞行きです。」だけが現在収録できる多層建て放送です。

かつては池袋始発の快速急行だったため、「前の4両が長瀞行き、後ろの4両が三峰口行きです。」という放送が男女とも流れました。*6

10年ほど前までは「拝島・西武遊園地」行きが走っており、「前の6両が拝島行き、後ろの4両が西武遊園地行きです。」という放送が流れました。

 

この電車は、(行先)行き、終電車です。

文字通り終電で流れます。「最終電車」じゃなくて「終電車」という表現かなり好き。次発以降の電車でも流れます。副都心線直通列車では流れません。

この放送では「○○行き」という言い切りのパーツを収録することができます。

下り電車の場合、始発駅で女声、途中駅で男声が流れるため、どっちも集めないと制覇できません。

 

この電車は、○○で、(種別)(行先)行き、終電車に接続します。

途中駅で別路線の終電に接続するときに流れます。次発以降の電車でも流れます。

ここでも言い切りパーツを手に入れることができます。

これも下り電車の場合、始発駅で女声、途中駅で男声が流れるため、どっちも集めないと制覇できません。

 

  • ライナー列車だが指定券不要の場合

この電車には、乗車券のみでご乗車できます。

小平~西武立川拝島ライナーが来るときに流れます。西武新宿と高田馬場では指定券が必要ですが、小平以西では必要ないためこの案内が流れます。流れる駅の都合上男声しか流れません。

 

  • 多層建てじゃないが列車の切り離しがある場合

この電車は、(前/後ろ)のn両を、○○で切り離します。

現在私が知る限りでは、飯能で4両を切り離す電車があり、東飯能と飯能で流れるようです。*7

飯能駅では「当駅で切り離します」という珍しいパーツが流れます。

 

  • 別列車に乗る場合待機を求められる放送

(種別)(行先)行きに、ご乗車の方は、n番ホームでお待ちください。

マジで意味が分からん。

こいつが流れる条件が本当に分からない。途中で追い越される列車というのは間違いないが、先に述べた「○○へお急ぎの方は…」との使い分けが分からない。私が今まで聴いた例だと

S-TRAINに追い越される西武秩父行き@飯能

特急の直前の小手指行き@所沢

急行の直前の地下鉄直通列車@急行停車駅

快速急行直前の拝島行き@田無

で流れています。

詳しく話すと長いので省略しますが、私の思う限り共通点が「優等列車に追い越される」ことしかないのです。有料列車でもない。当該駅以外で優等に乗車不可能なわけでもない。誰か使い分けわかる方いたら教えてください、割とマジで。

 

3.放送が最後まで流れ切らないことがある

こんだけ付帯放送が多いと、付帯放送が2,3種類一気に流れることも珍しくありません。しかし、全部が全部必ず流れるとは限りません。

なぜなら、当該列車が駅に入線してきたら、入線時点で流れている放送以降の放送は全てカットされてしまうのです。これは先発列車か次発以降かに関係なくカットされます。

例えば、小手指駅でF快急元町・中華街行きが接近してきた際の内容は、以下のようになります。

まもなく、2番ホームに、Fライナー快速急行、渋谷・横浜方面、元町・中華街行きが、10両編成で、まいります。黄色い線の内側でお待ちください。

(上記繰り返し)

この電車は、副都心線内では、Fライナー急行に、なります。

この電車は、途中、練馬で、準急、池袋行きに、お乗り継ぎができます。

この駅を出ますと、次は、所沢に、とまります。

この放送は、上から順に「直通先種別」「接続列車」「次の停車駅」の三種類の付帯があります。この三種類の放送が入線前に全て流れることはほぼありません。ほとんどの場合、「直通先種別」「接続列車」の付帯放送が流れている間に入線してくるため、「次の停車駅」は滅多に流れません。

このような事象がどの駅でも頻繁に発生しており、パーツ制覇を困難なものにしています。

ちなみに、電車の遅延やダイヤ乱れが発生している場合、流れる付帯と流れない付帯があるため、そこを逆手に取って滅多に流れない付帯を収録できるという例も存在します*8

 

私の収録状況の進捗

じゃあ、この私が今まででどれくらいパーツを回収できているか、という話です。

個人的な感想は「結構頑張ったけど、まだまだ道のりは長い」といったところです。

もう頭の中では把握できないので、自分で表を作って管理しています。まだまだ回収しきれていないパーツがありますし、まだ把握していないパーツがあるかもしれません。

池袋線の把握状況をまとめたスプレッドシート

これが池袋線系統のシートです。まだまだ抜けがありますし、「?」に関しては定期ダイヤで流れるのかすら把握してません。これを新宿線もほぼ同量制覇しなければならないためかなりの労力がかかります。

画像内では「吾野行きが」「ひばりヶ丘へお急ぎの方は」は定期で流れるのに所持していないパーツです。*9

吾野行きが」は、飯能から出る終電車の一本だけで流れます。この放送が流れる時点で池袋方面の電車は終わっているため、収録する時点で飯能以西での宿泊は必至です。いずれは絶対に手に入れたい放送ですが、いつになるやら…。

 

どっちも画像を見ると、行先として定期で走らないものを含めて全駅分の枠を用意しています。理由は後述します。

それから画像下部を見ると、秩父エリアや多摩川線なんかも制覇しようとしていますが、今回は割愛します。機会があったら記事書くかも。

 

収録がつらいパーツや駅

西武線には92の駅*10があり、そんだけあれば収録が難しい駅やパーツが少なからず存在します。その中でもまあまあ苦労したパーツや駅の一例を挙げようと思います。

パーツ編

この電車は西武新宿行き終電車です(男声)

所沢駅でのみ収録可能です。新宿線で上りの男声放送が唯一流れる駅が所沢です。*11

こやつ、他の付帯放送が多すぎて終電車まで流れ切らないことがしばしばあるのです。

この電車の全文は以下の通りです。

まもなく、2番ホームに、準急 西武新宿行きが、10両編成でまいります。黄色い線の内側でお待ちください。

(上記繰り返し)

この電車は、東村山で、各駅停車 国分寺行き終電車に、小平で、各駅停車 拝島行き終電車に接続します。

この電車は西武新宿行き終電車です。

クッッッッッッッッッッッッッソ長い

これが本当に流れ切るのか?先述したように流れ切る前に入線したらそれ以降の放送は流れません。しかも所沢駅いつも立ち番がいます。被られたら終わりです。さらに終電車表示が無いときもあります。無いときは終電車であっても終電付帯は流れません。もっと言うといまの所沢駅スピーカー位置が高いです。私が収録した時はまだ低かったのですが、駅の工事が終わったタイミングで嵩上げされました。

この放送の為に私は4回粘りました。

拝島へお急ぎの方はこの電車をご利用ください(女声)

2番目と3番目が当該列車。どちらも一つ前が出てから入線する。

この放送は西武新宿のみで流れます。同様の男声放送は他の駅でいくらでも聞けるのですが、女声放送はターミナルである西武新宿でしか聞けません。

で、先述したように、終点まで先着する案内は各駅停車でのみ流れます。西武新宿から拝島まで各駅停車で先着する列車なんてあるのか…?

答えはあります。休日早朝に。早朝は各駅停車しか走っていないため、嫌でも追い越されることはありません。この付帯放送は定期で流れるということです。

あと、付帯放送は先発電車でしか流れません。ただまあ早朝は電車が少ないので大体先発列車です。現行ダイヤ*12では、休日の5:06着、5:23着の2本が当該列車です。新宿線沿線民*13以外は新宿に前入りするとかして頑張ってくれ。

大泉学園へお急ぎの方は(男声)

練馬駅で流れます。下りなので男声放送です。これは石神井公園準急に追い越される各駅停車の接近放送で流れます。準急石神井公園からは各駅に止まるため、「お急ぎの方は」と案内される駅は大泉学園になります。現行ダイヤでいつ流れるかは把握してません。ゴメン。理由は後述。

コイツの厄介なところは、ダイヤ上、石神井公園の時点で準急が先着の場合は「石神井公園へお急ぎの方は」と流れることです。つまりこの放送が流れる条件は、石神井公園の時点では各停が先に着いている且つ石神井公園準急に追い越されることです。

この区間複々線のため、石神井公園に分単位では同着の場合もあります。この場合は、恐らく更に細かい秒単位で時刻が決められており、それに合わせて案内すると思われます。これがまた厄介で、無論秒単位の時刻なんて旅客向けに書かれてないので、現地(練馬駅)に行かないとどう流れるか把握できません。これがいつ流れるか私が把握してない理由です。確実なのは分単位で各停の方が先に着く列車を狙う事です。

ちなみに同様の女声放送も池袋で流れますが、これが流れるのは平日早朝です。

急行池袋行きにご乗車の方は2番ホームでお待ちください(女声)

小手指駅で確認しています。この電車は1番ホーム着で、先発電車のため付帯放送が流れますが、入線直前に2番ホームを特急が通過するため、そちらの放送が優先され切られることが多いです。*14

確実に狙う方法、というより条件は、特急が遅れることです。特急が遅れれば、通過放送鳴動のタイミングも遅れるため、付帯放送を収録できるチャンスを見出すことができます。

画像の横浜行き以外に、それより早い元町・中華街行きでも流れたような気がします。先発列車かまでは覚えてないけど。

 

駅編

こんどは収録が大変だった駅を挙げようと思います。

ひばりヶ丘

向かいホームの柱に括られているのがスピーカー

まずは池袋線ひばりヶ丘駅です。

ここは面倒な理由は単純で、スピーカー位置が高いということに尽きます。

写真に載せたスピーカーが唯一まともに自前の機材で届くスピーカーで、他は全て知る限り高所にあり、収録が大変面倒なものとなっています。待合室もありません*15。そのためこのスピーカーがある上り放送しか収録したことがなく、下り放送は同じパーツが流れる他の駅で収録しています。

飯能

昔の写真ですが…

池袋線の事実上の終点、飯能駅です。ここで運転系統が二分されており、無論池袋方面と西武秩父方面それぞれの接近放送があり、女声放送のみながら放送の種類が豊富です。

ここは今述べたように流れる放送の種類が多いため、回収パーツが少ないうちは忙しく動き回る羽目になると思います。なんなら私自身今でもほぼ毎回飯能には行ってます。

特に休日の朝になると、秩父方面だけで

のように希少パーツが連続する列車がやってきます。これ以外にも飯能でしか流れないようなパーツは複数存在しており、とにかく忙しいです。

それから、5番ホームには特急が発着するのですが、唯一の低いスピーカーはホーム端の屋根が無い場所にあり、悪天候時の収録は非常に難しいです。

高田馬場

下りホーム端にあるスピーカー

正直一番精神的に堪えるのはこの駅です。他駅と比べてぶっちぎりでキツい。何度失敗しても粘り強く収録する耐久力が必要になると思います。上りはどうせ西武新宿行きしか流れない*16からいいんですが、問題は下り電車です。下りなので男声放送なのですが、ここでしか流れないパーツが複数あります。「次は鷺ノ宮にとまります」とか「上石神井へお急ぎの方は」とか…。

ここでの収録が大変な理由は大きく3つあります。

立ち番に被られることがある

まず立ち番に被られることがあります。新宿線の都心ターミナルの一つであるこの駅は無論立ち番がいます。人にもよりますが、付帯放送が流れるタイミングで立ち番が案内放送をすることがあります。特に特急拝島ライナーの時間近くは注意。

列車が詰まると流れない

次に列車が詰まりやすいことです。再三述べますが西武線の接近は放送中に入線されると後の放送は全てカットされます。前の電車が高田馬場駅で乗降などに時間がかかれば、隣の西武新宿から来た電車がすぐに追いついてしまいます。これがラッシュ時を中心として往々にしてあるため、付帯放送が流れきらないまま入線してくることは日常茶飯事です。遅延したらその時間帯の付帯は全滅…なんてことも。

障壁は西武線だけにあらず

更にJRの走行音が大きいことも要因です。高田馬場駅西武線の横に、JR山手線と埼京線湘南新宿ラインが走っています。こいつらの走行音が放送に被られることも少なくありません。立ち番の被りも列車の詰まりがなくとも、JRの爆音によって折角流れた放送がかき消されてしまうことがあるのです。タダでさえ尋常じゃない運転頻度を誇る山手線が発着しているのに、それに加えて埼京線湘南新宿ラインは全速力で通過していくため山手線以上の爆音です。こんなのに被られたらひとたまりもない。

 

この三つの要件をクリアして初めて高田馬場駅でクリアな放送を収録することができます。

しんどい。

 


 

以上のように西武線の放送について色々調べながら様々なパーツを必死こいて集めています。定期で流れるものはできれば全て制覇したいものですが、いつになるのか分からないし、ダイヤ改正で収録可能パーツは増えたり減ったりするでしょう。恐らく私がこの趣味をやめない限りはずっとイタチごっこです。でも多く収録してた方が西武の下車*17に使える素材も増えるし、いいんじゃないかなーとは思っています。

 

定期外列車には手を出すな!

ここからは半分おまけコーナーです。

が、私が最初に「存在するパーツすべて回収なんて、不可能でしょうけど…」と述べた真意でもあります。

それが定期外列車です。これを知ると、全てを回収することが不可能であると悟ることができるでしょう。

定期外列車とは、まあ平たく言えば臨時列車です。西武線にも臨時ダイヤがあります。特急芦ヶ久保停車、入間航空祭、曼殊沙華etc...

 

例えば、野球

西武の臨時ダイヤで有名なものは、言わずもがな野球でしょう。西武ドームで野球やイベントが開催される日は、それに合わせて西武球場前発着の臨時列車が多数運転されます。

野球開催日の西武球場前駅

狭山線はあまり把握してませんが、池袋線内では臨時列車に伴って付帯放送が数種類増えるのです。それもモノによっては休日デーゲーム*18のダイヤでのみ流れるとか、逆にナイター*19ダイヤのみで流れるということがあるわけです。それを把握するだけでも大変なのに、把握した内容が欲しければ決まった日、決まった時間に現地に行って収録せねばならないのです。

個人的に「野球臨を制す者が西武放送を制す」と思っています。なぜなら、野球臨こそが西武で最も多く行われる臨時ダイヤであり、臨時列車の仕組みや状況把握、収録時に最適な行動を覚えることにうってつけのダイヤだと考えているからです。

余談ですが、野球臨は試合状況によって一部の臨時列車は時刻が変わります。例えばライオンズが劣勢なら早く帰る人がいるので早めに出すし、延長戦にもつれ込んだら23時台に臨時列車が走ることもあります。上に示した写真の場合、三段目にある快速が試合状況で時刻が変わる列車です。

例えば、臨時停車

西武線は季節やイベントに合わせて特急が普段止まらない駅に臨時で停車することがあります。有名なものでは、「芦ヶ久保」の臨時停車は毎年夏と冬の午前中にやっています。今年もそろそろ芦ヶ久保停車の季節です。

それから、秋になって巾着田の曼殊沙華が見頃になると「高麗」に臨時停車することもあります。その他「武蔵横手」や「吾野」、「西吾野」に止まったこともあります。

こっちには表示されないのに放送では流れます。厄介。

で、それの何が問題かと言いますと、飯能駅では次の停車駅をちゃんと言ってくれるのです。「次は芦ヶ久保にとまります」「次は高麗に」「次は武蔵横手に」「吾野に」「西吾野に」…

これが毎回どの駅でもきちんと流れてくれるので、臨時停車のお知らせがある度に飯能駅に赴くことになります。これが先述した、未だに飯能駅へほぼ毎回出向く理由の一つでもあります。もちろん他の地域でも臨時停車があればその場所へ行くことになるでしょう。

気を付けなきゃいけないのが、この臨時停車は駅の発車案内には表示されません。でも放送では流れます。そのためここだけは発車案内の表示だけに囚われず、自分で時刻をよく確かめる必要があります。「時刻間違えたか?」と思って収録を取りやめると後悔します。

臨時列車の行先も

西武線はおそらく行先放送に関しては全駅に対応しています。少なくとも折返し可能駅は全て放送が流れると言って良いでしょう。結構前に示した画像の表で、行先として定期で走らないものを含めて全駅分の枠を用意している理由はここです。

例えば臨時電車で入間市行きや高麗行きがあります。こいつらはイベントやら臨時ダイヤで出るだけまだまだかわいい方です。その日を狙って収録すればいいので簡単に収録できます。

臨時表示ではなく、ちゃんと行先が出る。

隙自語ですが、数年前に、池袋から臨時で運行された「快速急行 横瀬」行きなる列車がありました。横瀬行きというだけで滅多にお目にかかれないのに、池袋・飯能・東飯能女声、それ以外の駅で男声が流れるという事態。しかしこの電車、運行時刻を調べると池袋から所沢の間で特急に追い越される*20ことが分かったのです。つまり、「池袋で女声放送を録ってから、特急に所沢まで乗れば、そこで男声放送を録れる」というわけです。360円*21課金するだけでたった一回のチャンスをモノにできるなら安いもんです。お陰でいま私は横瀬行きの接近放送を男女とも所持しています。

ダイヤが乱れた日には…

臨時列車で収録できるならまだ良い方です。本当にヤバいのはダイヤが乱れたときです。先ほども述べましたが、西武線はおそらく行先放送に関しては全駅に対応しています。少なくとも折返し可能駅は全て放送が流れると言って良いでしょう。つまりダイヤ乱れで発生した行先にも対応しているということです。

村山駅で撮影

例えばこの写真。小川行きなんて電車は無論通常走っていません。これは国分寺線の鷹の台~小川間で人身事故があり、急遽折り返し運転を行った時のものです。この場合でも接近放送はしっかり対応しており、「各駅停車 小川行きが…」と流れました。

このとき同時に国分寺~鷹の台間で列車を運行したという情報も散見され、事実なら「鷹の台行き」が走ったことになります。YouTubeには恋ヶ窪行きの接近放送がうpされています。この時点で国分寺線は全駅分の行先放送が存在することになります。

流石の私もダイヤ乱れに遭遇した回数は少ないので手持ちの放送はこれくらいですが、ネットを漁ると「狭山市行き」や「井荻行き」が流れた動画がうpされてたり、駅の電光掲示に「狭山ヶ丘」「南大塚」が表示されているのが確認できるなど、探せばキリがありません。

 

これを見る度に私は思うのです。

存在するパーツすべて回収なんて、不可能でしょうけど…

 


 

おまけコーナーが長くなってしまいました。

まあとにかく、ここまで必死こいてるのは西武だけです。なぜなら私が初めて乗った鉄道で、初めて興味を示した鉄道で、下車作者になるきっかけの鉄道なので。

いまいる下車作者の中で、西武線の放送素材量だけでも一番になりたいなんて邪な気持ちも持っています。他所の素材量なんてたかが知れてますが、西武だけは胸を張って素材量に自信があると言いたいのです。(まあ下車は素材量が全てではありませんが…)

他線の放送も勿論あるに越したことはないですが、西武線ほどしっかり集めようとは多分思わないです。「なんだよ西武楽勝じゃん○○鉄道の方がよっぽどやべーぞ」と言われても、別にそっちに行くつもりは無いです。少なくとも西武の放送を制するまでは。

 

というわけで長々と西武の放送について書いていきました。

みんなも興味があったら頑張って集めてみてね。私はまだ集めきれそうにありません。

では。

*1:各停→各停のパターン

*2:地下鉄から来た電車(下り電車)では流れる。

*3:小竹向原吾野など

*4:回送の場合は「n番ホームに」のイントネーションが異なる。

*5:接続駅に停車する種別に限る。

*6:飯能で進行方向が変わるため、前後の行先も変わる。

*7:高麗以西では秩父エリア放送のため、付帯が無い

*8:東飯能で、ダイヤ乱れ時に接続列車の付帯が切られ、(普段先に入線されて滅多に流れない)切り離し放送を収録できたフォロワーがいる。

*9:表をスクロールしたら、他にも持っていないパーツはある。

*10:メトロの放送が流れる小竹向原を除くと91駅

*11:同一ホームの池袋線上りが女声であり、それと混同しないようにするため?

*12:2022/3/12改正

*13:それも西武新宿~上石神井間しか当該の放送には間に合わない。

*14:追い越しが通過電車の場合は直後に出る電車が先発扱いとなり、付帯放送が流れる。

*15:西武線は待合室にスピーカーがあり、そこでも収録できる。

*16:正確には、通過の回送電車もあるのでその放送も流れる。

*17:大変な途中下車シリーズの略。鉄道を題材にした音MADのこと。

*18:昼にやる試合のこと。

*19:夜にやる試合のこと。

*20:ひばりヶ丘で通過待ちをしたらしい。

*21:当時の池袋~所沢の特急料金